柬理(かんり)です。ブログの編集をやりながら大体はWebディレクターをしています。珍しい名字の柬理です。
Webディレクターという仕事のため、平日はほぼ毎日何かしらのサイトのことを考えており、基本はプログラマーやコーダー、デザイナーとエンドユーザーであるクライアントの間に入って仕様や企画を決めていくことになります。そのため多くのクライアントとの対応もメインの仕事の1つ。
基本サイトというものはクライアントの協力なしに作り上げることはできません。例えば「不動産の会社サイトを作りたい。会社名は◯◯不動産で後はお願いねー」と言われても到底作れません。それはどんな特徴を全面に出せばいいのかわからないですし、デザインも完全に勝手に決める事になります。もちろんそんなサイトでは内容は薄いものとなり、愛のあるサイトは作ることができません。
サイトは一度作ったらゴールではなく、作り終わったあとの運用こそが最も大事なのです。そんな適当に作られたサイトでは運用も面倒になってしまうことでしょう。
その為弊社では基本的な要素、内容、デザインはきちんとヒアリングして、目的や要望に沿ったサイトへ作り上げていくことを大切にします。だからこそクライアントにも一緒にサイトを作り上げていくイメージで、いくつかの要素を考えてもらうこともあります。
本記事ではいざサイトを作るぞ!と腰を上げたときにまずは準備しておくと、そのあとWeb制作会社と一緒に作りあげる上でかなりスムーズになる、準備すること・必要なことをご紹介します。もちろん作る上ではその内容をしっかりヒアリングで吸い上げるのですが、最初からアイデアとしてたくさんの要素があればより制作進行は早く、大事である運用に早く進めるようになるというものです。
恐らくどのWeb制作会社に依頼するときでも、以下の内容は必要になってきます。逆に今から説明する部分を聞かれないでいざデザインに入るとなると、凄い適当なものが上がってくることになる恐れが多々あります。
サイトを作成したいときに、まずどんな事を準備すれば(準備することになる)のかをご紹介します。
サイトを制作する上で準備しておきたいこと
サイト制作の目的は何?
第1にサイト制作の目的は何なのかをまず1番知りたいです。もちろん明確に落とし込んだものでも構いませんが、大雑把なものでも構いません。その設定した目的を達成するために、どのような見せ方にするのかという部分を考えるのが制作会社の仕事でもあります。
- 新しく事業を始めるので集客のために
- 店舗で売っていた商品を全国向けに売りたいから
- 今のサイトのデザインが気に入らないから
- 地域の情報発信をしたいから
- 新商品のPR用に専用のサイトを作りたいから
といったものでとりあえず良いでしょう。そうなれば集客であれば「年齢・性別・地域・興味」などと、目的となるターゲットを絞っていく事ができます。「うーんいやなんとなく」とか「えーと社長がリニューアルしたいって言ってました」といった曖昧なものだと、着地点がないのでどうすればいいかがわからなくなってしまいます。
なんとなくと考えたのは例えば「デザインがダサいから」や「伝えたいけど足りない情報があるか」など、掘り下げてみればもっと根本となる理由があるでしょう。「社長がリニューアルしたい」と言っていたのであれば、恐らく社長には明確にリニューアルしたい理由があるでしょう。
まずはなぜそのサイトを制作するのか。という目的を明確にすることから始まります。目的というトップな部分が明確になれば、トップダウンで物事を考えることが可能です。「目的」を達成するために何をするべきか、目的を判断基準として、この箇所をどう表現するべきかという決定・判断をすることが可能です。
個人的には目的は鋭利といえばいいのか、細かく定まっていればいるほどやりやすいのではないかと思っています。それはデザイン、企画、その後の運用も含めて全てです。例えばもう完全にターゲットを「中高生」に設定してしまえば、デザインや見せ方は大分決まってきます。また「中高生の女子」や「中高生の男子」まで細かく設定できれば、さらに戦略としては行う事が明確になります。
最初はたくさんアイデアを出して、最終的に目的は細く設定する方が、後々の判断としてはぐんと楽になります。
作るサイト・事業・サービス・商品の強みは何?
サイトを作るのですから、何かをアピールしたいわけです。アピールの先に何があるのかは上記の目的になってくるのでまずはそこを明確にする必要があります。
大体の場合は目的よりも先に何か事業・サービス・商品があることが大半です。商品・サービスがあるのでそれの認知・アピールにサイトを作ろう・使おう!という戦略になります。その為、大体サイトを作るときには載せるべき商品・サービスはすでにあるので、その強みを何なのかを探すことが重要です。
イメージとしては「商品がある」「その商品の強みをアピールする」「色んな手法でアピールし続ける」「目的を達成する」。という流れがサイトを作って効果を上げるおおまかな流れになるでしょう。
いざ「強みは何ですか?」と問われると、一体なんだろうと考えてしまいますが、もし店舗があるのであればそこに来店する顧客へ話す内容がまさに強みになるでしょう。商品を手作りしているのであればもちろんその商品には愛があるでしょう、それを語ればいいのです。簡単です。
商品を仕入れて販売しているのであれば、なんでその商品を仕入れるようになったのかキッカケがあるはずです。「絶対売れないよなーこの商品」と思って仕入れているのであれば、まずそこをどうにかするべきですし。
強みのアイデアは多くあって困ることはありません。どんな見せ方にすればより伝わるかといった部分は制作会社と一緒に考えれば良いのです。まずは強みのアイデア出しをしておけば、いざサイトを作るときにスムーズに進行できます
サイトに含めたいこだわり
企業の色やテーマなどサイトにも反映したい”こだわり”もあることでしょう。
このこだわりは可能な限り早めに洗い出しておくなり、制作会社に伝達しておくことは非常に重要です。サイトを作るときのおおまかな流れとしては「ヒアリング」「企画」「企画をベースにしてワイヤーフレーム(下書きのようなもの)の作成」「デザイン」「コーディング・プログラム」といったかたちです。
仮にデザインまで工程が進んだタイミングで「あ、やっぱしコレ入れたい」「やっぱり色はこっちのカラーで」「そういえばこの内容が必須でした」ということがあると、ヒアリングや企画で考えたものの中にどうにかこうにか入れ込む形になるので、どうしてもバランスは崩れ、良かったものをちょっと崩してどうにか整える。そんな調整になりかねません。
なので実際にデザインに入る、作り始める前のタイミングの企画や下書きのタイミングで、ワイワイガヤガヤと何でもいいのでアイデアや意見やこだわりを言ってもらえると、ものすごい制作会社としては助かります。最初の企画や下書きの時に労力をかけてやりたいことが明確にできれば、デザインも正しい舵を切って進めることができます
場合によっては制作中に必要になること
あと上記以外に準備しておくと、制作会社から「これを用意してください」と言われた時に、「どうぞ」とドヤ顔&音速で返すことができるものです。制作会社のやり方によってはそんなもの不要ですと言われることもあるかもしれませんが、基本は必要だと思いますので、準備しておいて損はありません。
- サイトに使用する写真
- 商品・企業パンフレット
- サーバー、ドメイン情報
- 既に存在するロゴデータ
- 強みや要素の文章化
- 好きなデザインの参考サイト
- Googleアカウント
もちろん全て無料素材、有料素材でサイトを作ることもできます。できますがその分どうしても説得力に欠けてしまいます。可能な限り写真素材についてもご用意してもらえると制作会社が泣いて喜ぶことになります。
また制作会社に文章を依頼することも多いでしょうが、基本はそのサイトを運営する方自身が文章を準備した方が良いと考えます。例えば不動産に従事している方が書く不動産に関する文章と、不動産経験皆無で、一人暮らしをはじめる時に不動産屋に合計3時間くらい居たことがある私で、どっちが情熱を持った、そして意味のある文章が書けるでしょうか。できた文章の構成を考えたり、日本語としてのチェックは私でもできますが、例えば「リフォームのメリット・デメリット」「賃貸と新築購入の比較」、そんな内容を0から書くことはとても困難です。
しかし不動産業を営んでいる方であればそんな内容(文章にするのは難しいかもしれませんが)、説明することは日常茶飯事でしょう。その為、強みや要素の文章化も事前に準備していただけると、再度制作会社がむせび泣いて喜びます。
サーバーやドメイン、Analyticsの閲覧などに必要なGoogleアカウントなどは、制作会社のやり方によって必要・不要は変わるので、そこは言われたらというレベルでもいいかもしれません。
サイト制作は制作会社とクライアントの協力が絶対に必要
サイト制作は「こんな感じのサイトです。はいではどうぞー」で制作会社で作るものではありません。
基本は制作会社とクライアント両者の協力が絶対に不可欠です。もちろん構成や見せ方、デザイン、プログラム、コーディングなど、制作会社が考えるべきところはたくさんあります。しかし、同時にクライアントが考えるべきところもたくさんあるのは事実です。
そうでなければサイトを作る目的は曖昧となり、その曖昧な目的に向かって頑張る事になり、いやそもそもその頑張りは実はさらに全然違う目的に向かっていったり、強みのアピールもほぼなく、どうやっても目的を達成するには弱く、素材がない故に「あれ?なんかこの笑顔のお姉さん至るところで見るぞ?」という写真を仕方なく使い、その道の素人が専門性のある文章をどうにか準備したことによって、文章はものすごく曖昧になり、サイトの納品まで遅延する。
といった事態になりかねません。
また自分の事業やサービス、会社を文章化するという作業自体、活動を見つめなおす良い機会でもあります。もちろん最初から完璧な要素など求めてはいません。重要な要素さえ理解できればそれを組み立てるのは私達の仕事です。良いサイトを作るためにも、しっかりとした準備をしましょう。多分制作会社が泣いて喜び、めちゃくちゃやる気が増し、それはもうさわやかな笑顔で仕事を進め、素晴らしいサイトを作ってくれることでしょう。。