こんにちは、なかちです。
いい加減、仕事に関係するブログを書いた方がいいのではないかという気持ちはあるのですが、ネタを確定させられないまま今回も仕事と関係の無い話を書きます。
今回書こうとしているテーマは多くの方にとって必需品であるかもしれないコーヒーについてです。
わたしはお酒が飲めないということもあり、アルコールの含まれない飲み物への関心がまぁまぁある方だとは思っているのですが、コーヒーですと、毎朝フレンチプレスで淹れたものを飲むのが好きです。
個人的にペーパーフィルターで淹れたものよりも好みで、洗う時に感じる器具の油っぽさから「豆のポテンシャル引き出しちゃってる?」などと自己満足に浸っています。
とは言いましても、コーヒー豆や淹れ方についての正しい知識はありません。
美味しいお店などについても特に詳しくはないですしブルーボトルコーヒーにも行ったことがありませんが、今年の初め頃にとある記事を偶然目にし、俄然行ってみたい!と思ったお店があります。
超絶硬派な老舗へ行ってみました
50年ほどの歴史を持ち、コーヒー愛好家の間ではものすごく有名らしいこのお店、わたしが知ったきっかけは以下の記事です。
「珈琲を味わう以外の目的のご入店はお断りします」などの貼り紙で有名な老舗。代表作「雅」と「雫」のおいしさや、心優しいご主人の真摯な姿勢に感動します。珈琲好きは必ず訪れたい名店。
こちらの記事を読んでみるとかなりの確率で「どんな店…?」「ちょっと興味ある…」といった心境になるのではないかと思います。
こちらは正式な取材をされての記事ですのできちんと店内やコーヒーの写真もありますが、通常ですとそのような行為は禁止となっております。
なにしろ店の入り口がコレです↓
…………。
気の弱い人ならココで諦めて引き返してもおかしくない、正直かなり開けるのに勇気の要る扉ですが、同時に「一体どんなコーヒーが出てくるんだ!?」という好奇心が涌き出してくることも確かですよね。
勇気を出して入店すると、まず最初に「入口の貼紙は読んで頂けましたか?」と声がかかります。
あっ!これ!井上陽水の歌に出てくるやつだ!※
※ベネズエラの作曲家による『コーヒー・ルンバ』という曲について言っています。正確には、日本で初めて歌った人は西田佐知子さんで、そこから様々なミュージシャンにカバーされた言わずと知れた名曲。
店内に入ると、席は10ほどで、全体的にこげ茶色をした年季の入ったインテリアが目に入ります。
奥のカウンターの中でマスターがコーヒーを淹れているらしいことはわかるのですが、その様子を詳しく見ることは出来ません。
カウンターは内部が覗けないよう目隠しの板が張ってあり、店内のそこかしこに『撮影禁止』『メモ禁止』といった貼紙が貼られています。
わたしが特にイケてると思った貼紙は『半可通・俄鑑定士お断り』と書かれたものです。「なんてキレのある言葉なんだ…」と感服し、出来る事なら写真に収めたかったほど…。
過去にその技を盗もうとした同業者や、語りたがりのコーヒーマニアに押しかけられ苦い思いをされたのかもしれませんが、その頑なさは並大抵のものではありません。
先に店内にいたお客さんたちも、ほとんど雑談などをすることもなく、粛々とコーヒーが出てくるのを待っている様子。
ニューヨークには喋ってはいけないレストランというものがあるそうですが、こんな雰囲気なのでしょうか?
注文を受けてから豆を挽き、一杯ずつ淹れているそうなので、提供までにはそれなりの時間がかかります。
※店内写真撮影禁止のためイメージ画像です。
今回わたしが注文したのは、ホットのモカマタリ(1,500円)です。
こちらを選んだのは「なんとなく聞いたことがある」という程度のことで、理由などは特にありません。
お値段は間違いでもなんでもありません。
豆を挽く音が聞こえた後、濃厚なコーヒーの香りがカウンターから立ち上ります。
沈黙の中15分ほど待ったでしょうか。
出てきたコーヒーは目を疑う程に真っ黒でした。
「ブラックコーヒーなんだから黒いのは当たり前でしょう?」と思われるかもしれませんが、なんと言いましょうか黒さのレベルが違うのです。
どんな淹れ方をしたらこんなにしっとり、どっしりとした黒いコーヒーが入るのか、全く見当もつきません。それがきっと目隠しカウンターの秘密なのです…
生まれて初めてコーヒーで酩酊しました
「一口目はブラックでどうぞ」と言われた通りに啜ってみると、見た目通り、いえそれ以上のインパクトでコーヒーのお味が口内に広がります。
淹れ方は勿論の事、お店の売りでもある熟成豆にはマスターが人生をかけてこられたこだわりがあるそうですが、そんなすごい豆の成分を余すことなく液体にするとこうなるんだろうか?と思ってしまうような濃厚さです。
コーヒーにぶん殴られているような強烈さを感じる味ですが、それでも年季の入った感じの苦味と、後味では爽やかと言ってもいい酸味を感じることが出来ました(わたしは酸味の強めなコーヒーが結構好きです)。
しかし正直に申し上げて、まともにコーヒーの味を感じる余裕があったのは最初の一口のみ。
あまりにも味が濃密過ぎて、普段でしたら3分で飲み切ってしまうような分量のコーヒーを飲むのに10分くらいはかかったかもしれません。
飲んでいる最中に何故か身体がカッカとしてきたり、せめて少しでもマイルドにしようと生クリームを投入してみても一切まろやかになってくれなかったり…
コーヒーと戦って負けた…、そんな不思議体験をしてしまった気分でした。
その後数十分ほどは体が時折フラつくのに頭はやけに興奮してハイテンションという、まるで酔っ払いのような状態になっていました。
酒には弱くてもカフェインには強いと思っていたのでちょっとショックです。
多種多様なコーヒーの楽しみ方
※この写真は以前香港へ旅行した時にスタバ店内で撮った写真です。個性的で面白い!
確かわたしが高校生くらいの頃、「新越谷にスタバが!」と軽く騒ぎになったことがありました。あの頃は、スタバ=都会というイメージが強くありましたので、盛り上がりもかなりのものでした。
今やコーヒーはその頃よりももっと身近な存在となり、コンビニでも美味しい淹れ立てのコーヒーを気軽に安く購入することが出来るようになりました。
しかし北山珈琲店のようなコーヒーを飲むと、コーヒーが古来は薬として使用されてきたことを思い出させられたような気持ちになります。
一生に一度でもいいので、楽しむというよりは体験してほしい、そんなコーヒーとの出会いだったなあと感じる出来事でした。
そんなことを言いつつ私は今年既に2回も行っているのですが、初回はここまで酩酊しなかったはずなので「モカマタリってすげえ!」という感じです。
越谷からも案外近い、上野/入谷のWESTERN北山珈琲店
越谷駅から電車で30分ほどの上野駅から10分ほど入谷方面へ歩くとその店はあります。
他では中々出来ない体験が出来るお店だと思いますので、興味のある方は勇気を出して行ってみて下さい!
お店の美意識の高さゆえに、もしかすると色々「ムムッ!?」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが…
いっそのこと冒険に出るような気分で行くと楽しいのではないかと思いました。